用語解説

第69回:定期借家契約で一時的に部屋を貸し出せる(不動産の借家契約)

 

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記事のポイント

  • 定期借家契約は2000年3月1日に施行された制度
  • 定期借家契約は借主が見つかりにくいデメリットもある

定期借家契約とは

賃貸借契約は「普通借家契約」と「定期借家契約」に分けられます。「定期借家契約」は2000年3月1日に施行された制度で、一時的に家を貸したい人が期間を決めて家を貸せるものです。

定期借家契約の場合、賃貸借契約書とは別に「更新が無く期間満了で契約終了する旨の合意書」等の書面があります。賃貸借契約書とは別に書面での説明がない場合は、普通借家契約とみなされます。

定期借家契約と普通借家契約の違い

定期借家契約は貸主にとって、部屋を貸しやすいメリットがあります。普通借家契約では、一度部屋を貸してしまうと借主を追い出すことができません。一時的に家を貸したいと思っていても、借主側から退去を言い出さない限り自分では家を使うことができないのです。たとえば、海外赴任の3年間だけ家を貸したい人が定期借家契約で賃貸すると、帰国した時にまた自分の家に住めるということです。

定期借家契約の途中解約

定期借家契約でも200㎡未満の居住用であれば、借主のやむを得ない事情(転勤、療養、親の介護等)により住み続けることが困難な場合は、途中解約可能です。また、途中解約可能な旨の特約を締結することも出来ます。

定期借家契約のデメリットとは

定期借家契約では契約期間が定まっているため、借主が通常の物件に比べて見つかりにくくなります。つまり、賃料を低くしなければ借手が見つかりにくいというデメリットがあります。また、定期借家契約で契約した借主は、転勤ややむを得ない事情等または特約がある場合以外は契約解除を認められておりません。借主にとってもデメリットがあるわけです。

たとえば、入居者が家賃滞納しがちなトラブルメーカーでも、普通借家契約では簡単に契約解除はできません。そこで、初めから定期借家契約で契約しておくことで、入居者に問題があっても期間満了で契約を終了できます。もちろん、借主に問題がなければ貸主側も長い期間貸し出したいはずです。その場合は、定期借家契約だが再契約も可能である旨を説明することで期間を延長することができます。

 

契約方式の表

契約方式普通借家契約定期借家契約
契約期間1年以上

※短い場合は期間の定めがない契約とみなされる

定めなし
更新等の有無更新可能契約終了

※場合により再契約可能

中途解約原則不可

※200㎡未満の居住用でやむを得ない事情で可

契約書面等口頭でも可能書面による契約および更新がない旨の別紙書面必要
契約終了等の通知期間満了の1年前から6カ月前までに更新しない旨の通知が必要。よっぽどの正当事由がない限り貸主から更新拒絶できない期間満了の1年前から6カ月前までに契約が終了する旨の通知が必要

まとめ

  1. 定期借家契約書と別に合意書がないと普通借家契約とみなされる
  2. 定期借家契約なら、貸主側が期間満了で契約を終了できる
  3. 普通借家契約は、貸主側から簡単に契約解除ができない
  4.  

>>第70回:契約解除日の連絡日を確認しておく【賃貸不動産物件の退去】

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