<<第74回:借地権の譲渡には地主の承認が必要【土地借地権】
記事のポイント
- 借地権を持っていれば、土地を半永久的に使用できる
- 更地にしておくよりも建物が建っているほうが評価額は下がる
借地権は税金対策になる
借地権には、借地権者と土地所有者の双方にメリットがあります。借地権者は、半永久的に土地を利用することができます。建物が存続している限りその建物を使用できますし、地主の承諾なく建物を第三者に貸すことができます。地主の承諾が得られれば第三者に譲渡することも可能ですが、許可がおりない場合は借地非訟で裁判所から許可を得られます。一方で、土地所有者も土地を更地にしておくより、借地権を設定して土地の上に建物を建ててもらうことで、固都税や相続税の評価額が下がり、税金が安くなります。
借地権設定のメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
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借地権者(建物所有者) |
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底地権者(土地所有者) |
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借地権をローンできる金融機関は少ない
借地権を購入する際も金融機関でローンを利用するケースが多くなりますが、実は借地権はローンを利用できる金融機関が限られています。借地権をローンで購入する場合、借地権設定承諾書と地主の印鑑証明書を金融機関から求められるため、借地権を売買する場合は事前に書類を取得できるように交渉しておきましょう。
借地権設定承諾書とは、借地権を住宅ローンで利用するにあたり、地主から借地権に抵当権を設定する承諾をもらう書類です。
どうしても借地権設定承諾書が取得できない場合は、借地権を現金で購入してもらえる買主を探すか、承諾書なしで借地権に融資してくれる金融機関、ノンバンク等を探すしかありません。フラット35の場合、借地権設定承諾書は必要ありませんが、建物価格部分のみしか融資してくれないため、現金が多く必要となります。
抵当権
抵当権とは、住宅ローンなどを借りるときに、購入する住宅の土地と建物に金融機関が設定する権利のこと
フラット35
住宅金融支援機構および前身の住宅金融公庫の証券化支援事業をもとに、取り扱い先の民間金融機関と共同で提供する長期固定金利の住宅ローン商品の名称
抵当権設定承諾書の内容
- 借地権とその土地上の建物に抵当権を設定すること
- 地代滞納があった場合は、銀行に連絡すること
- 競売になった場合は競落人にも借地権を継承すること
- 地代滞納を理由に借地契約を解除するときは解除する旨をあらかじめ銀行に通知すること
まとめ
- 借地権には双方にメリットもデメリットもある
- 借地権のローン設定には借地権設定承諾書が必要
- フラット35は建物価格部分しか融資してくれない