用語解説

第3回:宅建業に含まれる取引、含まれない取引【不動産】

 

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記事のポイント

  • 「宅地」と「建物」の定義を明確にすると、宅建業の対象が理解できる
  • 宅地は「宅建業法」、建物は「不動産登記法」に定義が書かれている

「宅地」とはどんな土地?

宅建業が扱う対象は「宅地」と「建物」です。宅地と建物にあたらない場合には宅建業の対象外となるため、それぞれの定義を明確にしておきましょう。宅建業法による「宅地」の定義は下のとおりです。

宅建業法第2条

宅地 建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法第8条第1項第1号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むものとする。

つまり、宅地は大きく次の2つの土地と言えます。


  1. 建物の敷地を目的とした土地
  2. 用途地域内の土地

建物の敷地を目的とした土地

表示登記が可能な建物を建築するための敷地です。土地の状況は関係なく、その時点で山林であっても建物を建てるために土地を取引した場合は宅地に該当します。

表示登記

不動産登記の表題部に不動産を特定する目的で表示される登記。建物新築時は、登記がないため、表示登記をすることで建物登記が記録される

用途地域内の土地

都市計画法で用途地域が定められた土地はすべて宅地となります。用途地域内であれば農地の取引も宅地です。道路や公園など、国や地方公共団体によって設営されている公共施設は、宅地に該当しません。私立学校の土地は宅地ですが、公立学校は公共施設なので宅地にはならないわけです。

用途地域

都市計画法で定められた市街地の種類ごとに建物の用途等を規制する制度。主に住居系·商業系·工業系の用途地域に分かれる

宅地に該当しないもの

農地、採草放牧地および森林

基本的に宅地にはあたらないが、建物を建てるために取引された場合は宅地になる

道路、公園、河川

道路や公園など国や地方公共団体によって設営されている公共施設は宅地に該当しない

公共の用に供する施設用地

私立の学校の土地は宅地だが、公立の学校の土地は宅地にあたらない

 

宅地建物取引における「建物」とは?

実は、宅建業法で「宅地」の定義はされていますが、「建物」の定義はされていません。そのため、宅建業における「建物」とは何かを明言することはできません。「建物とは何か」を理解するためには、不動産登記法の「表示登記できる建物」の定義が参考になります。不動産登記法における建物とは以下の3つを満たす建造物のことです。

ただし、宅建業の実務のうえでは表示登記できない建物が取引される可能性もあります。あくまで「建物」を理解するための参考と考えてください。


  1. 屋根や壁で雨風が防げる(外気分断性)
  2. 土地に定着している(定着性)
  3. 用途や目的の機能を果たせる(用途性)

不動産登記法における建物

海の家の場合、1年を通して建造物が建てられている場合は土地に定着しているため建物、夏の営業が終わったら解体される建造物なら建物とは言えません。


まとめ

  1. 宅地は「建物の敷地を目的とした」または「用途地域内」の土地
  2. 道路や公園などの公共施設の土地は宅地には該当しない
  3. 建物は雨風が防げ、土地に定着し、目的の機能を果たせる建造物
  4.  

>>第4回:仲介は売主·貸主と買主・借主のつなぎ役

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