<<第48回:住宅物件を契約するまでの流れをおさえる【物件の契約業務】
記事のポイント
- 買付証明書で購入する意思を示すことができる
- 相場とかけ難れた買付証明書では交渉すらできないこともある
まずは不動産物件を購入する意思を示す
ローンの事前審査で了承がおりたら、買付証明書(購入申込書)を作成します。法的に有効な書類ではありません。が、書面として記入することで購入の意思表示をします。口頭だけだと発言の有無を巡ってトラブルになるので、書面として残しておくのです。買付証明書の書式自体は仲介会社によって違いますが、記入後に記名押印して仲介担当者へ渡し、売主仲介会社へ提出することになります。
また、相場とかけ離れた買付証明書が提出されると、件介担当者の判断で売主に交渉すらできないこともあります。たとえば、売却希望価格4000万円の物件に2500万円の買付証明書を提出しても、担当者の判断ではじかれて売主に買付証明書自体が届かないので意味がありません。
契約の成立について
買付証明書を記入したからといっても必ずしも契約できるとは限りません。売主がその人には売りたくないと意思を示したら、契約が成立しません。売主には買主を自由に選ぶ権利があるということです。契約を結んではじめて売買が成立します。
条件が複雑な場合は売渡承諾書で意思を確認する
通常の個人間売買で住宅を売却するときは、売主が買主に対し売却意志の書面を作成することはありません。条件が複雑に絡んでおり、買主の条件等とすり合わせをする必要がある場合に、売主に売渡承諾書を記入してもらうことがあります。売渡承諾書には、「売却希望価格」「売却の条件」が記載されており、書かれている条件で売却することへの意思表示になります。
買付証明書サンプル
まとめ
- 書面で購入の意思を示すことでトラブルを避ける
- 買付証明書を記入したからといって、必ず契約できるわけではない
- 条件が複雑に絡んでいるときは売主より売渡承諾書を記入してもらう