<<第64回:不動産物件の決済後には不動産取得税を支払う【不動産購入時の税金】
記事のポイント
- 不動産を所有しているだけで固定資産税・都市計画税がかかる
- 道路部分は固定資産税・都市計画税は非課税になる
1月1日時点での所有者に税金がかかる
売買が終わった後も、不動産を所有しているだけで固定資産税・都市計画税(合わせて固都税と呼ぶこともある)がかかります。毎年1月1日時点での所有者には、5月頃に納税通知書が送られてきます。物件売却後に前所有者に納税通知書が送られてくることもあるので、決済日にはその年分の納税額を日割精算して買主から売主へ支払います。
道路は非課税となる
道路部分は固定資産税·都市計画税が非課税です。私道で利用している部分に固定資産税が課税されている場合は申請することで非課税になる場合があります。また、セットバックで敷地を後退させている場合は、その部分の面積を申請することで非課税になります。
不動産豆知識
固定資産価格は不服申出ができる
固定資産の価格に不服がある場合は、固定資産税を管轄する税事務所へ問い合わせてみましょう。それでも不服の場合は、固定資産評価審査委員会が各市区町村にあるので、審査申出を行うことができます。なかには、現存しない家屋の固定資産税が毎年課税されていたということもありました。違和感があるときは確認してみましょう。
固都税の軽減措置を受けられる場合
固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) | 課税評価額×1/6×1.4% ※課税標準額は固定資産税評価証明書に記載してある | 課税標準額×1/3×0.3% |
一般住宅用地(200㎡超の部分) | 固定資産税評価額×1/3×1.4% | 固定資産税評価額×2/3×0.3% |
新築住宅 | 固定資産税評価額×1.4%×1/2 | 軽減の特例なし |
長期優良住宅 | 固定資産税評価額×1.4%×1/2 | 軽減の特例なし |
新築住宅が軽減を受ける条件
- 3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅→新築後5年間
- 一般の住宅(上記以外)→新築後3年間
- 専用住宅・店舗併用住宅(店舗併用住宅の場合、居住用部分が1/2以上)
- 居住部分の課税床面積が一戸につき50㎡以上280㎡以下であること。
(貸家住宅の場合一戸につき40㎡以上280㎡以下)
長期優良住宅が軽減を受ける条件
- 平成21年6月4日から令和4年3月31日までの間に新築された住宅で、劣化対策、耐震性、可変性等の住宅性能が一定の基準を満たすものとして認定を受けた住宅
- 居住部分の床面積が1戸につき50㎡(戸建以外の賃貸住宅については、40㎡)以上280㎡以下
- 居住の用に供する家屋
- 併用住宅については、居住部分の床面積が全体の2分の1以上(ただし、120㎡相当分が減額の対象)
年をまたいでの建て替えには固都税が上がる?
住宅用地として利用している宅地で小規模住宅用地であれば軽減税率が適用され、固定資産税評価額が6分の1になります。しかし、固定資産税評価員は1月1日時点での現況の利用状況を見ています。仮に1月1日の時点で建て替えのために更地にしていると、小規模宅地の特例を利用していた場合に一気に固定資産税が上がります。ただし、特例措置により建て替えの場合、以下の条件で住宅用地として適用できる場合があります。
建て替え時に軽減税率を適用する条件
- 当該年度の前年1月1日時点においても住宅用地であった
- 1月1日時点に新築工事に着手している。または建築確認済証を取得して3月末までに新築工事に着手している
- 当該年度の前年1月1日時点と同一の敷地に建物を建築している
- 当該年度の前年1月1日時点と土地所有者が同一人物であること
注意が必要なのは、年末に解体して1月1日に建築確認が取得できない場合、古家付きの土地を購入して1月1日時点で建築中の場合は特例措置が認められないということです。建替えや土地購入後の住宅建築を検討している方は、スケジュールに注意しなければ固都税が上がるため、注意しましょう。
まとめ
- 毎年1月1日時点の不動産所有者に納税通知書が送られてくる
- 物件売却後に前所有者に納税通知書が送られてくることがある
- 私道やセットバック部分は申請すると非課税になる