<<第28回:【不動産の購入】建物の劣化・近隣の環境を確認する
記事のポイント
- 法務局では、物件の場所や権利、地歴等を確認する
- 地番がわからないとすべての書類を取得できない
法務局ではまずは地番を確認する
法務局では、物件の場所や権利、地歴等について確認します。もし、現況との違いや疑問点等がある場合は、再度現地調査を行ったり、売主へのヒアリングをしましょう。法務局に着いたら、まずはブルーマップから地番を調べます。地番がわからないと、公図を含め、すべての書類を取得できません。
ブルーマップは基本的に冊子として置かれていますが、最近ではタッチパネル式の地番検索システムでブルーマップを検索できる法務局も増えています。マンションの場合は家屋番号も必要なので、わからない場合はマンション簿の部屋番号から家屋番号を調べます。
ブルーマップ
住所から登記上の地番がある程度わかるようにしてある住宅地図の事。ブルーマップから公図番号のほかに用途地域や建ペい率と容積率も確認できる
法務局での調査の流れ・やり方
STEP1
:ブルーマップから地番を調べる
STEP2
:公図を取得し住宅地図等で正式な地番を調べる
STEP3
:書類(登記事項証明書、地積測量図、建物図面、各階平面図、隣地の要約書等)を取得する
公図は明治時代につくられた書面
公図を取得することで、正確な地番を知ることができます。ブルーマップ上では、道路などを合わせたおおざっぱな地番しかわからないため、公図によって道路の地番も把握することができます。ただし、公図はもともと明治時代に税金徴収のために作られた図面です。当時の測量技術が低かったこと、税金を少しでも安く抑えるために土地を過少申告していたことなどから、精度はそこまで高くありません。現在では、地籍調査により正確な地図を法務局に整備することが規定されていますが、全国的にも実施率は約56%程度です。公図の情報をうのみにせず、現況との違いがないかをきちんと確認しましょう。
公図をうのみにはしない
現在では、地籍調査により正確な地図を法務局に整備する規定があります。地籍調査とは、各市区町村で行われる土地所有者立会いのもとでの境界確定のこと。法務局に備えられている公図や謄本は上記の通り情報が古く、現況とのずれが生じていることがあるため、正確な情報を法務局に記録するために実施されています。ただし、地籍調査の実施率は全国的に約56%程度にすぎません。公図の約半分は、地籍調査前ということです。地籍調査前の公図は情報が古いままなので、うのみにせず現況との違いがないかをきちんと確認しましょう。
まとめ
- 法務局に着いたら、まずはブルーマップから地番を調べる
- 公図を取得すると正確な地番を知ることができる
- 地籍調査の実施率は約56%程度にすぎない