<<第27回:【不動産の現地調査】道路の幅と接道間口で土地の価値が変わる
記事のポイント
- 建物の劣化は事前にヒアリングした上で、目視でも確認する
- 近隣環境の変化を実際に現地に足を運んで確認する
不動産購入時の建物の劣化は目視でわかる範囲で確認する
建物の劣化状況等に関しては、事前に売主にヒアリングしておきます。特に修繕履歴等は確認しておきましょう。その後、現地では目視でわかる範囲で確認します。もし明らかに劣化しているとわかる箇所があれば、写真などの記録に残しておきます。状況によっては、建築士による既存住宅状況調査を依瀬することもあります。ただし、売主の許可がないと調査ができないため、調査の許可をとりましょう。
既存住宅状況調査
国土交通省で定める調査基準に従う既存住宅の調査。原則的に非破壊での調査となり目視で確認できる範囲の調査になる。主に構造耐力上の主要な部分や劣化事象の有無が調査の対象
建物の劣化チェックポイント
- 外壁のクラック
- 塗装
- 基礎のクラック
- ドアのたてつけ
- 設備
- 傾き(ビー玉·水平器)
近隣環境の変化を確認する
近隣環境や生活施設が地図上の情報と大きく変わっていることがあります。たとえば地図ではコンビニがあったのに現地ではなくなっていることなどは珍しくありません。このような近隣環境の変化も、実際に現地に足を運ばなければわかりません。最低でも対象地から半径200m~300mくらいの範囲は、実際に歩き回りスーパーやコンビニ、病院等の医療施設があるか確認しましょう。
その他にも、交通量や人通り、学校の通学路になっているかどうかなど道路の状況も必ず確認します。近隣に嫌悪施設があるかについても確認して記録しておきましょう。可能であれば近隣の方へのヒアリング調査も実施します。ただし、売主が売却事実を知られたくないケースもあるため配慮が必要です。
嫌悪施設
一般的に人が嫌がるような施設。たとえば、ゴミ焼却場やエ場また墓地等。また、人によっては小学校も嫌悪施設に含まれる場合もある。子供がいる家庭であれば小学校が近くで安心というメリットがあるが、校庭での子供の声を騒音と感じたり、風による校庭からの塵埃等を嫌がる人もいる。よって、音や振動、臭気、日照や風向き等により対象物件に影響を及ぼす可能性がある施設を嫌悪施設として調査する
最寄り駅から歩いてかかる時間を計る【不動産の現地調査】
販売図面に記載されている駅からの時間は、地図上の距離で80mごとに1分で計算されています。信号の待ち時間や坂道等は考慮されていないため、徒歩10分と記載されていても実際に歩いたら15分かかるケースもあります。実際に歩くとどの程度の時間かを調べてみましょう。
近隣環境チェックポイント
- 駅·バス停までの道のり
- 最寄り駅(電車の本数・快速停車駅か否か)
- 街灯の有無
- 交通量·人通り
- 自治会等のお知らせ看板
- 建て替えや建築看板の有無
- 嫌悪施設等の有無
- ゴミ置き場の位置
- ー方通行・道の幅等(車が入れるか道か否か)
- マンション、戸建て、事務所等の建物とその住人
生活施設チェックポイント
- 学区域の学校
- スーパー・コンビ二等
- 病院や医療機関等
- 商店街・商業施設等
- 銀行・郵便局・役所等
- 公園
まとめ
- 明らかに建物が労化しているとわかる箇所は記録に残しておく
- 職存住宅状況調査には、売主の許可が必要
- 販売図面の駅からの時間は、信号や坂道が考慮されていない