用語解説

第31回:地積測量図・各階平面図からわかること【法務局調査】

 

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記事のポイント

  • 地積測量図で対象地の面積を確認する
  • 各階平面図には建物の形状や面積が記載されている

地積測量図でこれから行うこと

地積測量図とは、土地家屋調査士が実測し測量したものを登記することで法務局に備えられている一筆ないし複数の筆の地積を図面化したものです。対象物件の面積を確認するために、法務局で地積測量図を取得します。ただし、土地の分筆や地積更正登記をする際に法務局に添付する書類なので、すべての土地に対して地積測量図が備えつけられているわけではありません。作成時期の古い地積測量図は精度が良くないため、現況との差を確認しましよう。また、測量図は地積測量図だけではなく、以下の3つの測量図に分けられます。

3つの測量図の種類

精度確定測量図すべての隣地所有者立会いの下で境界を確定した測量図。境界ごとに隣地の所有者に実印で記名押印書類をもらい境界を確定する
地積測量図分筆等の登記申請する際に法務局に添付する測量図。作成年度によって境界標明示義務の有無(昭和52年以前はなし)や測量技術の違い等から精度にバラつきがある
現況測量図現況で測量する測量図。境界標がない箇所に関しては、計算点としておおよその箇所を境界と仮定して計算する

一筆

登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されている土地の地番の1つ

地積更正登記

登記事項証明書に記載されている地積(土地面積)が測量の結果が現況と異なる場合に、実測面積に更生して登記申請すること

地積測量図の注意事項
  • 境界確定なしでの売買は隣地とのトラブルになる可能性がある
  • 隣地との境界が確定できないと土地分筆ができない
  • 土地家屋調査士に確定測量図を依頼する場合、境界の数や隣地の共有者の人数等によって測量費が変わってくる
  • 道路との境界確定をする場合、役所等の立会いが数力月かかる
  • 地積測量図は作成年度によって現況面積と相違がある

建物図面・各階平面図の現況との差異も確認する

建物図面・各階平面図とは、法務局に備えられている建物の形状や面積を記載している図面です。地積測量図と同様に測量技術が古く現況と面積が異なっていたり、登記の際に添付義務がなかったため、法務局に備えられていない物件もあります。また、増築や改築をした際に変更登記を申請していない場合も、現況と建物図面は異なります。変更登記を法務局に申請するのには、土地家屋調査士への依頼料がかかるため、増改築してもそのまま変更登記していないケースも多々あります。

土地家屋調査士

不動産の現況を調査し表示に関しての登記申請する専門家。登記事項証明書の表題部にあたる部分の登記申請を行う

 

建物図面・各階平面図の注意事項

  • 現況との相違を確認
  • 増改築等の履歴を売主から確認しておく
  • 敷地に対しての建物の配置や大きさを確認
  • 作成時期が古い場合は現況と異なる場合が多いので注意

まとめ

  1. すべての土地に対して地積測量図が備えられてるわけではない
  2. 作成時期の古い測量図は精度が高くない
  3. 増改築しても変更登記をしていないケースが多々ある
  4.  

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