用語解説

第40回:農地を売却・賃貸・転用するときは許可を得る【農地法とは】

 

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記事のポイント

  • 農地を売却、賃貸、転用などする場合は農地法に則り許可を得る
  • 無許可の取引は無効とされ罰則規定もある

各法令に適合してるか確認する

宅建業において農地を売却、賃貸、転用などする場合は農地法にのっとり許可を得る必要があります。無許可で行った売買や賃貸は、契約自体が無効とされ、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されてしまいます。農地法の目的は、国内の農業生産を増大させ、国民の食糧の供給を安定させることです。農地や採草放牧地が無秩序に利用目的以外の使われ方をしたり、権利を移転されてしまうと国内の農業生産力が落ちてしまいます。

採草放牧地

農地以外の土地で、家畜のための採草もしくは家畜の放牧のための土地

次の3つの条文に基づいて許可を得る必要があります

農地法3条許可

農地や採草放牧地を、利用目的を変えずに第三者へ売却や賃貸する場合は、農地法第3条により農業委員会の許可が必要となります。第三者へ売却や賃貸をされて農地として効率的な利用がされなくなるのを避けるためです。たとえば、農家が利用している農地を他の農家に売却・賃貸するという場合に許可が必要となります。

農地法4条許可

農地を農地以外のものに転用する場合には、農地法第4条により都道府県知事の許可が必要となります。市街化区域にある農地を転用する場合には、農業委員会への事前届出で問題ありません。

たとえば、農家が自己所有の農地の一部を転用して自宅を建築するには許可が必要となります。勝手に転用されてしまうと、優良な農地がどんどんなくなる危険性があるため、たとえ自分の農地であろうと無許可で農地以外のものに転用することはできません。ただし、採草放牧地の転用は規制してはいません。

市街化区域

すでに市街地を形成している区域、もしくは約10年以内に優先的に市街化を図る区域

農地法5条許可

農地や採草放牧地を、農地以外のものに転用する目的で第三者へ売却や賃貸する場合には、農地法第5条により都道府県知事の許可が必要となります。

市街化区域の農地や採草放牧地を転用目的で第三者へ売却する場合は、農業委員会への事前届出で問題ありません。たとえば、農地を宅地として住宅を建てる目的で第三者が購入するという場合に許可が必要です。自己所有の農地の一部を、駐車場として第三者へ貸す場合も同様です。

 

農地法の3つの条文

農地法3条許可農地法4条許可農地法5条許可
転用 / 権利移転等農地→農地農地→農地以外農地→農地以外
採草放牧地→農地、採草牧草地採草放牧地→農地、採草牧草地
売買・賃貸自己使用売買・賃貸
許可権者農業委員会都道府県都道府県
市街化区域内農業委員会に事前届出農業委員会に事前届出

まとめ

  1. 農地法の目的は、農業生産を拡大させ食糧の供給を安定させること
  2. 農地法3条は農業委員会、4条と5条は都道府県知事の許可が必要
  3. 市街化区域では、4条5条でも農業委員会に届け出をすればよい
  4.  

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