<<第31回:地積測量図・各階平面図からわかること【法務局調査】
記事のポイント
- 役所調査では法令上の制限を確認する
- 役所は聞かれたことしか答えてくれない
役所で法令上の制限を調査する
現地や法務局の調査が終わったら、最後は役所での調査を行います。役所調査では、建物がどういう基準で建てられているかなど法令上の制限を確認します。特に建て替えの際は、その地域で本当に建物が建てられているかを確認しましょう。法令上の制限とは大きく以下の3つに分けられ、地域ごとに規制内容が変わります。
都市計画法
将来的な快適な街づくりのために規制や制限をかりる法律。たとえば、道路を整備したり、大きな敷地の宅地分譲を勝手にできないように規制を行っています。
建築基準法
昭和25年に定められた建物建築における法律。建築基準法は年々改定されているため、連築当初に適法だった建物でも現在の建築基準法では適合しない既存不適格建築物となっている可能性もあります。
その他法令等
その他市区町村等によって建築基準法とは別に建築規制を厳しく設定している場合や景観に関する規制、がけ池での建築制限等の規制等があります。
既存不適格建築物
建築当初適法に建築されている建物だが、建築基準法の改定により現況での建築基準法では適法しない建物のこと。建築当初においてすでに適法でない「違法建築物」とは異なる
疑問点をメモして質問する
基本的に役所は聞かれたことしか答えてくれません。現地調査で感じた疑問点等は必ずメモして、役所等で質問する必要があります。また、役所では資料等の閲覧ができても写しがもらえない場合がありますが、その場合は必ずメモしておきましょう。担当者からヒアリングした事実は「〇年〇月〇日〇〇区役所建築審査課〇〇氏より聴取」とメモして、重要事項説明書に記載します。必要であれば調査した内容をもとに再度現地にて照合調査を行いましょう。
役所で調査すること
部署 | 調べること |
---|---|
都市計画課 | 都市計画や用途地域等を調べる |
道路管理課 | 道路台帳を取得し、道路幅員および道路境界確定有無を調べる(県道の場合は、県の土木事務所、国道であれば国道事務所に行く) |
建築指導課 | 建築基準法上の道路種別や対象地の建築制限等を調べる。対象地の建築制限等を調べる |
建築審査課 | 建築計画概要書を調べ、写しと台帳記載事項証明書を取得する |
下水道 | 下水道の整備予定がないかを調べておく。下水道が整備予定となっている場合、各家庭で負担金が発生する場合があるので調査を怠ると売買後にトラブルになりかねない |
その他 | その他の条例やライフラインの埋設状況を調べる。敷地内のライフラインの埋設管図の閲覧には売主の委任状が必要なので事前に取得しておく |
まとめ
- 都市計画法は、将来的な街づくりのために規制する法律
- 現地調査での疑問点はメモをして、役所で質問する
- 担当者からヒアリングしたことは重要事項説明書に記載する